労働法

林和彦 編著／神尾真知子、新谷眞人 著
A5判 　 341頁　 並製
定価　3,400円+税
ISBN　978-4-86251-081-5 C3032

本書は、通説・判例にしたがってオーソドックスに書かれた労働法のテキストである。労働法を初めて学ぶ学生や社会人はもちろん、司法試験を目指す者にとっても、現在の通説・判例の正確な理解が不可欠である。労働法を学ぶすべての者に、本書は、ゆるぎない基礎を提供するはずである。
労働契約法など、近時の法改正に対応した待望の第2版。

目次

まえがき
序章
労働法序説

第1節　労働法の意義
第2節　労働法を生み出したもの
第3節　労働法の生成と展開
column　日本の工場法
2　労働組合法の生成と発展
第4節　労働法の原理
第5節　日本国憲法と労働法の体系
第6節　労働立法の展開
第7節　労働法の要素

第1章　労働契約の締結と雇用の成立

第1節　募集と法
第2節　労働契約の成立
第3節　採用内定と試用
第4節　労働契約締結に関する労基法の規制
column　身元保証契約

第2章　労働基準法と労働条件決定のしくみ

第1節　労働基準法のしくみ
column　労働基準監督官の現状
第2節　労働条件決定の法的しくみ
第3節　就業規則

第3章　雇用の展開と労働契約

第1節　労働者の配置と異動
column　解雇と単身赴任
第2節　労働者の評価制度
第3節　労働条件の変更
第4節　企業変動と労働契約
第5節　懲戒・休職制度

第4章　賃金の保護

第1節　「賃金」の意義
第2節　賃金の決定方法に関する保護
column　年功賃金と年棒制
第3節　賃金の額に関する保護
第4節　賃金の支払い方法の保護
第5節　未払賃金債権の保護
第6節　賞与・退職金の法的問題

第5章　労働時間,休憩,休日,年次有給休暇

第1節　法定労働時間と労働時間の概念
第2節　労働時間の算定
第3節　労働時間の規制緩和
第4節　休憩・休日
第5節　時間外・休日労働
第6節　労働時間,休憩,休日の適用除外
第7節　年次有給休暇
第8節　労働時間等設定改善法
column　年休の背景

第6章　労働災害の予防と補償

第1節　労働災害の防止─労働安全衛生法
第2節　労働災害の補償─労災保険法
第3節　民事損害賠償と上積み補償

第7章　雇用における男女平等

第1節　均等法と性差別禁止
第2節　一般女性保護と母性保護
第3節　育児・介護への支援

第8章　非正規雇用と法

第1節　雇用形態の多様化
第2節　非正規雇用労働者と労働法の適用
第3節　パートタイム労働と法
第4節　労働者派遣と法

第9章　雇用の終了

第1節　労働者の退職
第2節　解雇の制限
第3節　定年制
column　失業と基本手当

第10章　個別的労働紛争の解決

第1節　労働紛争の種類
第2節　個別的労働紛争の解決手続
column　労働審判手続の運用状況

第11章　労働基本権の保障

第1節　労働基本権の保障
第2節　労働基本権の社会的基盤
第3節　労働基本権の制限

第12章　不当労働行為制度

第1節　不当労働行為制度の意義と沿革
第2節　不当労働行為制度の性格
第3節　不当労働行為の類型
第4節　不当労働行為制度における「使用者」
第5節　不当労働行為の救済

第13章　労働組合の組織と活動

第1節　労働組合の意義と組織
第2節　団結権保障と労働組合
第3節　労働組合結成の自由と資格審査
第4節　組合加入・脱退の自由と組織強制
第5節　組合員の権利義務
第6節　労働組合の統制権
第7節　組合活動の法理

第14章　団体交渉と労働協約

第1節　団体交渉の意義と形態
第2節　団体交渉権の性格と内容
第3節　労使協議制の意義と実情
column　従業員代表制度
第4節　労働協約の意義と機能
第5節　労働協約の締結
第6節　労働協約の内容と効力
第7節　一般的拘束力
第8節　労働協約の終了

第15章　争議行為と労働争議の調整

第1節　争議権の内容と構成
第2節　争議行為の正当性
第3節　争議行為と賃金
第4節　違法争議行為の責任
第5節　争議行為と第三者
第6節　争議行為の制限と調整
索引

著者プロフィール

［編著者］
林　和彦（はやし　かずひこ）
早稲田大学法学部卒業
日本大学法科大学院客員教授
（序章，1~6章，9~10章執筆）

［著者］
神尾　真知子（かみお　まちこ）
慶應義塾大学法学部卒業
日本大学法学部教授
（7章，8章執筆）

新谷　眞人（あらや　まさと）
中央大学法学部卒業
日本大学法学部教授
（11章~15章執筆）