プロフィール

フローフーフ
家族で,シンプルな暮らしを目指しています。 メルカリにはど素人です。行き届かないことがあるかも知れませんが,どうかご寛容のほどおたの申します。 _____ 「『へえーェ,京都の人の暮らしぶりをまねてたら,お金残りますなァ』 そういわれて,わたしは苦笑いをしていた。なるほど,そう思われるかも知れまへんなあ。代々親から受け継いだしまつの心は,がっちりとからだにしみついている。 『しまつは後始末をすること』 と,口ではいうても,暮らしぶりを見たり聞いたりしている人は,しまつ即質素と思われがちである。 確かに質素ではある。 亭主の茶屋遊び うちらの豆腐汁 やなんていわれると,そうや,そうやと思うてしまう。旦那さんが茶屋遊びをされるのは,それは商売上の付き合いで,仕方のないこと。台所を預かる女房は,きっちりと家を守って,豆腐汁ですますというのである。おんなじように財布の口をゆるめて遊んでいたら,屋台骨はたちまちゆるんで,身代限りをせんならん。それは慎まんならんと,昔の女(ひと)は思うてはった。 わたしは,”あほやなあ,そない男の人を甘やかしたら,なんぼでも図にのって遊ばはりまっせ”と。そして,わたしやったら, 『豆腐汁ではのうて,ビフカツくらいやなあ』 と笑う。母はきっと”世帯持ちが悪い”というやろう。」 「表向きは,あんまり派手な暮らしをせずに,裏では,つまり目立たんところでお金をかける。それが証拠に,毎日いただくおばんざいでも,調味料にまやかしのものは使わない。おつゆをするにしても,ちゃんとおこぶを使うし,それも最高のものやないと気がすまない。それは,見た目にはわからないけれど,口に入れると,口は正直やから,おいしいとわかる。一事が万事で,まあ,しまつに思えるおかずでも,実はぜいたくをしているのである。 『お金残りますなあ』 といわれても,おなかの中では”なに残りますかいな”というている。そして, 『へえへえ,お金,馬に食べさそ思てますねん』 とおどけて見せる。わたしは午歳。きっと人さんには通じてないやろうと,一人よがりで,うれしがってしまう。」 大村しげ著「しまつとぜいたくの間 ゆたかな暮らしのエコロジー」(佼成出版社1993)より
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